出荷しちゃった
昔から、日記をつけたり、
都会の街などで見つけた
洒落たデザインのチラシを収集したり、
また、洒落た店やただ安いだけの店の名刺やマッチを
片っ端から収集したりして、
それが丸ごと残っているので引っ越しが大変である。
また過去の私はそのチラシやマッチにその日あったことを
日記のように書き込み、
その日訪れた店や人との記憶を定着させようと励んでいるのである。
マメである。
マメに記憶の定着をはかるような人間だな、コイツ。
と、他人のように自分のことを思う。
荷物が運び出された後の、伽藍とした部屋である。
呆れるほどガラクタばかりの家であった。
しかし思い出だけはまた豊かであった。
「捨てられないもの箱」みたいなものまたできた。これがややこしく、また次の部屋をこ狭くするのだろう。
過去を思い出す鍵のようなものである。
別にそれがあっても無くても構わないと思う。
ただ、今捨てられないだけである。
センチメンタルが溢れ出てこないうちに、ダンボールに蓋してガムテープで閉じる。
思い出を出荷する人みたいだな、私。
などと、思う。
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