鼻歌inたこ焼き
年末には、ちょうど良い寒さである。
私の年末の寒さの基準は、
原付に乗って実家に帰る時の体感温度である。
その時に、
「ぐーん。こりゃぁサムイ。イテテテテ。」
という具合に、
寒さによって少し涙するくらいであると、
家に到着した時に、
鍋を食したくて仕方ない身体になっているので、
ちょうど良いのである。
しかし今晩の夕食はなぜかたこ焼きである。
どういうわけか父は最近、
人が集まるとたこ焼きをやりたがる。
つい10日程前、妹が帰ってきた時に
たこ焼きをやったばかりなのに、
もう今日もたこ焼きをやる気でいるのである。
たこ焼き時の父はまことに機嫌がよく、
鼻歌まじりである。
たこ焼き機の上のふつふつする生地に
混じいれられた父の鼻歌。
それをくるっと包み込み
妙にホカホカとたこ焼きは焼き上がる。
「あやしい。」
と思い、立ち上るその湯気に耳を近づけてみると、
「やっぱりな」
かすかに聞こえてくるではないか、
父の鼻歌が。
まぁべつにええか。
と年末鍋派の私は思う。
そうしてホカホカのたこ焼きを口に放り込み。
のどの奥で父の鼻歌を聴くのである。
みなさま今年も一年ありがとうございました。
どうぞ良いお年をお過ごしください。
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